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金沢家庭裁判所 昭和34年(家イ)35号 審判 1959年4月07日

申立人 大木健二(仮名)

相手方 大木恒子(仮名)

主文

申立人と相手方を離婚する。

長男吾一の親権者を相手方母と定める。

理由

申立人は昭和三二年一〇月○○日相手方と婚姻し、其間に昭和三三年三月○○長男吾一を挙げたが、相手方との同棲生活は前後三箇月位で現在親許に戻つている。相手方は独断的で申立人とは性格が合わないので申立人は相手方と離婚し、長男吾一の親権者を相手方と定められたい旨申立てた。

当家庭裁判所調査官津田進一の相手方及び実父大谷恒春に対する調査報告書中の記載と、大谷恒春審問の結果を綜合すると、相手方は申立人の上記申出に異存がなく、ただこれよりさきに確定した当裁判所昭和三四年(家)第九〇六号扶養審判事件において定められたとおり、申立人は長男吾一に対し、昭和三三年一一月三〇日より吾一が満一六歳に達するまで毎月々末金一五〇〇円宛相手方に送金扶養することの履行を求めていることが認められる。

然るに昭和三四年二月一六日及び同年三月一七日当裁判所において開かれた調停委員会に相手方代理人大谷恒春は出頭したが、大阪市に居住する申立人は出頭しなかつた。そこで申立人を大阪家庭裁判所において審問した結果申立人は相手方と離婚の意思に変りがないこと、および相手方が申立人と離婚するならば申立人は長男吾一に対する上記扶養を履行する意思があることを認めた。

当裁判所は調停委員普森友吉、堀田外茂の意見を聴いて、当事者双方の為衡平に考慮し離婚するを相当と認め、尚子供の親権者は現在子供を引取り養育中の相手方母に定めることにし主文のとおり審判する。

(家事審判官 斉藤直次郎)

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